記録【昭和38年〜昭和49年】


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1963年(昭和38年)
1年生:1期
部長:     監督:岡田雅之 主将:森元幹雄
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<記録調査中>



1964年(昭和39年)
2年生:1期、2年生:2期
部長:岡節三  監督:河本明範 主将:森元幹雄
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○第46回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
1回戦 7月22日 岡山県営球場
興譲館 1 1 1 0 3 0 2 8 笠原,西岡−川上
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 0 三谷−若林
(7回コールド)
 二塁打:川上(興)
 第一試合は初出場の大安寺のゲーム運びが焦点となったが、やはりチーム力の差はどうにもならなかった。バッティングの基本はもとよりフィールディングもまだ未熟の域を出ず、守っては興譲館に11安打、11四死球、13盗塁を許し、4失策を演じ、打っても笠原、西岡にノーヒットに押さえられ、プレーそのものについてはほめられる材料は一つもなかった。しかし、劣勢の中で、興譲館に立ち向かったナインのキビキビした動きはたたえられる。(山陽新聞 昭和39年7月23日:塩田)



○秋季東部地区予選
9月12日 岡山東商グランド
大安寺 1 0 0 0 1 0 0  2 広野,福明−若林
和 気 2 0 0 0 5 3 X 10 草加,久次−谷
(7回コールド)
 三塁打:竹本,谷(和)
 二塁打:三谷,広野(大),青山(和)

9月13日 岡山東商グランド
理大付 3 4 1 0 0 4 0 2 0 14 大石,本城,大石−高取
大安寺 1 1 2 0 3 2 3 0 0 12 福明,広野,三谷−若林
 本塁打:高取,間野(理),杉山(大)
 三塁打:安立(大)
 二塁打:小田(理),福明(大)

9月19日  岡山東商グランド
大安寺  0 0 0 0 0 0   0 広野,三谷−高見,若林
岡山東商 4 0 2 0 2 2x 10 平松−宮崎
(6回コールド)



1965年(昭和40年)
3年生:1期、2年生:2期、1年生:3期
部長:     監督:岡節三  主将:森元幹雄


○春季東部地区予選
4月10日 岡山東商グランド
岡山東商 9 6 2 7 3 27 鵜野−宮崎
大安寺  0 0 0 0 0  0 三谷,平野−高見,若林
(5回コールド)
 本塁打:宮崎,中島,和田2,池田(岡)
 三塁打:宮崎2,池田(岡)
 二塁打:鵜野(岡)

4月11日 岡山東商グランド
備 前 4 0 2 2 0 2 1 0 0 11 立花,柴田−柴原
大安寺 1 0 0 4 0 0 0 1 0  6 三谷−高見
 本塁打:小林,柴原,下林(備)
 三塁打:三谷(大),小林(備)

4月17日 岡山東商グランド
大安寺 2 0 0 1 0 0 0 3 広野,三谷−高見
邑 久 0 3 0 0 3 3 X 9 田中−福間
(7回日没コールド)
 本塁打:田中(邑) 三塁打:赤木(邑) 二塁打:三谷(大)


○第47回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
1回戦  7月24日  倉敷市営球場
岡山東商 0 0 0 0 0 2 2 0 0 4 平松−宮崎
大安寺  0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 三谷−高見
 三塁打:宮崎(岡) 二塁打:松本,平松(岡)
 第三試合は全国優勝した岡山東の楽勝かとみられたが、三谷の力投に苦しんだ。三谷は球威こそなかったが、うまくコーナーに散らす頭脳的な投球。打ち気にはやる岡山東は三谷のペースにはまったかたちで、五回までは毎回走者を送りながら、あと一発がでなかった。やっと六回一死から松本の二塁打でチャンス、中山、中島の適時打で2点、七回、和田四球、平松右中間二塁打、中山の左前安打で2点を追加、ダメを押した。 大安寺は平松の速球が打てず、わずかに2安打、12三振を喫した。(山陽新聞 昭和40年7月25日:安本)
 前半の岡山東は得点圏に走者を出しながらどうしても一発が出ずに苦しんだ。六回松本、中山、中島の長短打でやっと均衡を破りやっと調子にのった。復調を注目されている岡山東平松投手は一、二回連続六人の打者を三振にきってとる好調のスタートを切った。だが三回にはいってからは大安寺打線にしぶとく食いさがられた。本格派投手だけに長雨で調子をくずしたともいえるが、タマにもうひとつのびがない。一方、大安寺は平松投手に二安打に完封されたが、押されながらも強豪岡山東と四つに組んでの善戦ぶりは立派だった。(毎日新聞 昭和40年7月25日)
 攻守にまさる岡山東商が順当に勝ったが、大安寺も優勝候補を相手に堂々とわたり合った。東商は六回一死後、松本が右中間に二塁打して三谷投手の暴投で三進。続く中山は投手の足元を抜く安打で松本をむかえ入れ、みずからも中島の左翼線二塁打で生還した。七回にも四球と2長短打で2点を追加、試合を決めた。
 しかし前半、東商は三谷投手の頭脳的なピッチングニ押さえられて安打も当たりそこねが多く、五回まで毎回走者を出しながらここ一発が出なかった。平松投手も大安寺を2安打無四球におさえ、12三振を奪ったがシュートやカーブの切れは最高の調子とはいえなかった。大安寺は五回まで均衡を保ち、観衆をわかせたが、走者が四、九回に各々一人という貧攻で六回以降は守備も乱れて力がつきた。(?新聞 昭和40年7月25日)



○秋季東部地区予選
9月12日  岡山南高グランド
岡山南 0 2 1 1 4 0 3 11 長尾−山本明
大安寺 0 0 0 0 0 0 0  0 葛原−栢菅
(7回コールド)
 二塁打:秋山,山本明(岡)

9月23日  岡山南高グランド
理大付 0 1 1 0 0 2 1 0 3 8 本城−大月
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 河内,葛原−栢菅



1966年(昭和41年)
3年生:2期、2年生:3期、1年生:4期
部長:     監督:宇根廣  主将:四谷任


○春季東部地区予選
4月16日 岡山東商グランド
和 気 2 7 1 6 0 16 小川,福島,小川−谷
大安寺 0 0 0 0 1  1 葛原,田中,辻−友光,栢菅
(5回コールド)

4月23日  朝日高グランド
大安寺 8 1 2 3 0 14 葛原−友光
朝 日 0 0 0 0 0  0 山上,中野−萩原
(5回コールド)
 本塁打:栢菅(大) 三塁打:山上(朝)

2位トーナメント  関西高グランド
大安寺1−9関西


○第48回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
2回戦 7月20日  岡山県営球場
大安寺  0 0 0 0 0 0   0 葛原,辻−友光
岡山東商 1 0 4 3 0 2x 10 田中,早川−松本
(6回コールド)
 三塁打:青井(岡) 二塁打:岩久保(岡)
 岡山東−大安寺は昨年と同じ組み合わせ。この時は大安寺が食い下がり好試合だったが、ことしはチーム力がだいぶ低下していた。先発の葛原は制球難、バックも弱かった。初回青井の左越三塁打と小野田の中前打で1点を先行、三回は6四死球と敵失で4点を加えて大勢を決め、四、六回にも加点してコールド勝ちした。力からして岡山東の勝利は順当だが岡山東の打線が爆発しないうちに大安寺が四球と失策で自滅した格好だった。大安寺は二走者を出したが、いずれも併殺に打ちとられて二塁を踏めなかった。(山陽新聞 昭和41年7月21日:塩田、安本)



○秋季東部地区予選
9月10日  岡山東商グランド
大安寺 1 1 0 2 0 0 0 0 2 6 葛原−松陰
興 陽 2 0 0 0 1 0 0 5 X 8 山形,大薮−中村

9月11日  関西高グランド
大安寺 0 1 0 0 0 0 0 1 0 2 葛原,辻−松陰
備 前 4 0 0 0 1 0 0 3 X 8 須賀,鳥越−吉田

9月15日  岡山東商グランド
大安寺 1 0 0 0 0 0 2 1   4 葛原,辻,葛原−松陰
西大寺 4 0 0 0 0 4 0 3x 11 松原−小橋
(8回コールド)



1967年(昭和42年)
3年生:3期、2年生:4期、1年生:5期
部長:     監督:宇根廣  主将:葛原哲


○春季東部地区予選
4月22日  岡山東商グランド
邑 久 3 0 0 0 4 0 0 0 1 8 松本,岡部−奥山
大安寺 1 1 3 1 0 0 0 0 0 6 辻−水船
 本塁打:岡部(邑) 三塁打:葛原,戸田(大)
 二塁打:辻,大谷(大),川野2,松本(邑)

4月23日  岡山東商グランド
岡山東商 1 0 8 0 1 10 奥江−斎藤
大安寺  0 0 0 0 0  0 内田,辻−水船
(5回コールド)

4月25日  朝日高グランド
大安寺 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 辻,内田−水船
岡山工 0 0 0 0 0 0 2 1 X 3 難波−斎藤
 本塁打:高津(岡) 三塁打:内田(大),難波(岡)


○第49回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
2回戦  7月21日  岡山県営球場
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 3 0   3 内田,辻−水船
笠岡工 3 0 0 0 0 0 0 0 1x 4 片山−丸山
 三塁打:水船(大) 二塁打:田中2(大),広坂(笠)
 笠岡工はチーム結成二年目、大安寺は四年目という新興チーム。ともに持てる力をフルに出し切って戦ったが、笠岡工がサヨナラ勝ちした。3−3で迎えた最終回、先頭の広坂が中越え二塁打、国本の送りバント野選と盗塁で二、三塁の絶好機をつくった。高橋の遊ゴロで広坂本封されたが、中原敬遠の四球と盗塁で再び二、三塁、藤井が1−3からスクイズ(安打)を決めた。笠岡工は八回同点とされ、浮き足立っていたが、広坂の一打で再び冷静さを取り戻し、そのあと細かい攻めで勝利を握った。
 大安寺は八回、疲れのみえた片山をとらえ、水船の三塁打を足場に犠飛や田中の右翼線二塁打、本盗などで追いついたが、もうひと押しできなかった。初回無死二塁からバントエンドランの失敗、八回の本塁寸前の憤死など惜しまれるプレーがあったが、最後まで勝負を捨てず食い下がったのは立派だった。(山陽新聞 昭和42年7月22日:塩田、安本)



○秋季東部地区予選<トーナメント敗者復活戦に変更>
1回戦 9月9日 岡山南高グランド
大安寺  0 0 0 0 0   0 内田−水船
和気閑谷 4 1 0 4 1x 10 石川−溝田
(5回コールド)
 二塁打:石川,山崎,石井(和)

敗者復活戦  9月10日
大安寺 0 0 0 0 1 0 0  1 内田,藤原−水船
岡山南 1 0 2 5 0 2 X 10 岩藤,三木,岩藤−清水
(7回コールド)
 三塁打:藤原(大) 二塁打:太田,清水,大本(岡)



1968年(昭和43年)
3年生:4期、2年生:5期、1年生:6期
部長:徳方宏治 監督:江口明彦 主将:内田和夫


○春季東部地区予選
4月6日  関西高グランド
吉 備 0 0 2 0 3 2 1 0 0 0 0  8 渡辺−仁科
大安寺 0 0 0 0 2 4 0 0 2 0 1x 9 藤原,内田−水船
(延長11回)
 三塁打:内田,藤原(大)
 二塁打:大西,内田,藤原,大磯,川嶋(大),板谷(吉)

4月7日  関西高グランド
大安寺 0 2 0 0 0 0 0 0  2 内田,藤原−水船
関 西 1 0 1 0 2 0 0 5x 9 神岡−畑
(8回コールド)
 二塁打:井戸(大),渡辺(関)

4月14日  関西高グランド
興 陽 0 0 0 0 0 1 0 1 0 2 小川−藤原
大安寺 0 0 0 1 1 2 0 0 X 4 内田,藤原,内田−水船

4月20日  関西高グランド
備 前 0 2 0 0 1 1 0 0 0 4 鳥越−大良
大安寺 0 0 4 0 0 0 0 1 X 5 内田−水船

第二代表決定戦  4月28日  岡山南高グランド
岡山工 3 0 1 0 0 0 1 0 5 楢村−板野,森下
大安寺 0 0 1 0 1 0 0 0 2 内田−水船
(8回コールド)


○第50回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
1回戦  7月20日  岡山県営球場
大安寺 0 0 0 0 0  0 藤原,内田−水船
関 西 5 1 4 1 X 11 平松,上岡−畑
(5回コールド)
 二塁打:平松,藤本,野上(関)
 第二試合は関西のエース平松が登板した。焦点は平松のピッチングだったが、平松は一球々々たんねんにコースをつき、復調のきざしをみせた。休息、変化球の切れもまずまずで、四回まで完全試合、これからの試合に期待をつないだ。大安寺はこの平松にまったく手が出ず、五回まで三者凡退、そのうえ投手陣も不調で、まったくの完敗だった。(山陽新聞 昭和43年7月21日:塩田、安本)



○秋季東部地区予選<トーナメント敗者復活戦方式>
1回戦 9月8日 岡山南高グランド
操 山 3 0 4 0 0 0 0 0 0  7 坪井−村上
大安寺 0 0 2 1 0 1 0 2 2x 8 藤原−大西
 本塁打:北条(操) 三塁打:大西(大)
 二塁打:川嶋,中島(大)

2回戦 9月15日
岡山工 1 0 0 0 0 2 0 1 0 4 楢村−森下
大安寺 2 0 0 0 0 0 1 3 X 6 藤原−大西
 二塁打:本山,大西(大),楢村2,古山(岡)

3回戦 9月21日
岡山東商 13 0 1 4 5  23 バッテリー記載なし
大安寺  0 0 0 0 0 0  バッテリー記載なし
(5回コールド)

敗者復活代表決定戦 10月3日 関西高グランド
和気閑谷 0 0 0 1 0 3 1 2 0 7 西角−浦上
大安寺  1 0 0 0 0 0 0 0 0 2 藤原−大西
 本塁打:石井(和) 三塁打:行本(和)
 二塁打:村田(和),大西(大)



1969年(昭和44年)
3年生:5期、2年生:6期、1年生:7期
部長:徳方宏治 監督:江口明彦 主将:大西均


○春季東部地区予選
4月12日
備 前 1 0 1 0 0 1 0 6 5 14 榊原,春本−木村
大安寺 0 0 2 0 0 4 0 0 0  6 藤原,川嶋−本山

4月13日
大安寺  2 0 0 0 0  2 藤原,川嶋,竹中−本山
和気閑谷 2 1 5 6 X 14 高取−浦上
(5回コールド)

4月19日
岡山東商 0 9 3 3 0 15 水田−門永,田中
大安寺  0 0 0 0 0  0 藤原−本山
(5回コールド)
 二塁打:細谷(岡)

4月20日
大安寺 0 0 0 2 1 0 0  3 藤原−本山
西大寺 2 0 5 4 0 0 X 11 奥山,大内−佐々木
(7回コールド)


○第51回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
1回戦 7月20日 倉敷市営球場
大安寺 3 0 0 0 0 0 2 0 0  5 難波−黒川
理大付 0 0 5 0 0 2 2 1 X 10 生田,高塚−三浦
 二塁打:川嶋(大)
 第二試合は両チームとも投手陣が乱調ぎみ。両チーム合わせて四球20、安打19。延々3時間21分の長い試合だった。大安寺は理大付の投手陣の立ち上がりの乱れから押し出しの3点をとって、優位に立ったが、これもつかの間、三回には四球から5連打されて5点をとられた。実力では理大付が上だが、逆転されても悪びれることなく最後まで試合を捨てない大安寺の健闘ぶりは、終始統制のとれた応援団の活躍とともに印象深い。(山陽新聞 昭和44年7月21日:工藤)



○秋季東部地区予選<トーナメント敗者復活戦方式>
1回戦 9月6日
大安寺  0 0 0 0 0 0 0 0  0 難波,上野,佐藤−黒川
東岡山工 0 1 0 0 0 0 5 1x 7 山本−国光
(8回コールド)

敗者復活戦 9月7日
岡山工 2 0 0 0 2 0 0 1 2 7 近藤,菅−武市
大安寺 1 1 0 0 0 1 0 0 1 4 難波−黒川
 本塁打:木村(岡) 三塁打:近藤(岡)
 二塁打:難波(大),武市(岡)



1970年(昭和45年)
3年生:6期、2年生:7期、1年生:8期
部長:宇根廣  監督:江口明彦 主将:


○春季東部地区予選
4月14日 朝日高グランド
理大付 4 1 0 5 2 12 森前−三浦
大安寺 2 0 0 0 0  2 難波−黒川
(5回コールド)
 本塁打:森前,岡田(理),黒川(大) 三塁打:伊達(理)

4月21日
大安寺  0 0 1 0 0 0 0  1 難波−黒川
岡山東商 1 0 3 1 3 2 X 10 熊沢−門永
(7回コールド)
 本塁打:守岡(東) 三塁打:佐藤(大),若杉(東)
 二塁打:佐藤(大),盛岡,内田(東)

4月24日
朝 日 3 0 1 3 0 0 1 2 0 10 和気島,岡−石井
大安寺 3 0 4 2 0 0 3 0 X 12 難波−黒川
 本塁打:和気島(朝),滝上(大)

4月27日 朝日高グランド
邑 久 3 1 2 0 0 1 0 2 0 9 谷口−北谷
大安寺 0 0 0 0 0 2 5 0 1 8 難波,佐藤,難波-黒川
 本塁打:佐藤(大),北谷(邑)
 三塁打:黒川,上野(大) 二塁打:竹内(邑)


○第52回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
2回戦 7月21日 岡山県営球場
山 陽 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 原田−為木
大安寺 0 0 0 0 0 0 2 0 X 2 難波−黒川
 二塁打:佐藤(大)
<夏季大会初勝利>
 第二試合は、1点リードされた大安寺が七回、敵失を足がかりに長短打で2点を上げて逆転勝ちした。この回一死後、坪田三ゴロ失で二進、続く鈴木、広瀬も三塁内野安打と四球で満塁にしたあと、佐藤が右中間に二塁打して二者を迎え入れ、そのまま逃げ切った。山陽は一回、安打と敵失などで一死一三塁に走者を進め、原田の三ゴロを捕手が落球する間に三塁走者をかえして、さい先よいスタートを切った。その後三、六回にも走者を得点圏に進め追加点の好機を迎えたが、凡打を繰り返し6残塁を記録。このあたり攻めにひと工夫ほしかった。それにしても五回のピンチに安打性の打球を二回にわたって好捕した大安寺、広瀬の美技は光った。(山陽新聞 昭和45年7月22日:安本、三浦)
<悲願の”一勝”飾る>
大安寺が部結成いらい初勝利を飾った。同校は38年に設立された新進校。39年から毎年出場しているものの球神からは見はなされた格好だった。ことしも初戦が一昨年ベスト8の山陽だったが、逆転勝ちという”おまけ”までつけて勝った。ナインもスタンドも悲願だった1勝に、大喜び。宇根部長は「本当によくやってくれた。一度は必ずチャンスはあると思っていたが、それにしても佐藤をはじめ、みんなよくがんばってくれた」とニコニコ顔だった。

3回戦 7月23日 岡山県営球場
関 西 3 2 0 2 0 0 0 0 1 8 中西,川崎−大庭
大安寺 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 難波−黒川,佐藤
 三塁打:中西,一安(関)
 最終試合は出場して七年目で初の3回戦出場を果たした大安寺だが、関西のカベは厚かった。三回、2四球と敵失で2点をとったものの相手投手陣が打てず、最終回ようやく黒川の内野安打が出ただけ。力の差があった。(山陽新聞 昭和45年7月24日:安本、松浦)



○秋季東部地区予選<トーナメント敗者復活戦方式>
1回戦 9月13日 関西高グランド
大安寺 0 0 5 0 0 0 0 0 0  3 難波−佐藤
西大寺 1 0 1 0 0 0 0 1 2x 5 岡本,中山−右田
 二塁打:石田2,重光(西)

敗者復活戦 9月24日 朝日高グランド
興 陽 0 0 5 0 0 0 0 0 0  5 草薙−小野
大安寺 1 0 1 2 3 0 1 2 X 10 難波−佐藤
 三塁打:青木,山形(興),片岡(大) 二塁打:佐藤(大)

第二代表決定戦 9月25日
備 前 0 1 1 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0  4
大安寺 1 0 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 1x 5
(延長14回)
(備前)尾関−坪本 (大安寺)難波−佐藤,黒川
 二塁打:尾関(備),片岡(大)
⇒県大会本戦出場


○秋季岡山県大会
1回戦 10月10日 倉敷市営球場
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 難波−黒川,佐藤
倉敷工 0 1 1 0 1 0 0 2 X 5 山本,岡部−中村
 三塁打:小山(倉)
 二塁打:中村,木村,天野(倉),黒川(大)
 長打4本を含む10安打の倉敷工とわずか二塁打一本という大安寺、打撃の差がそのまま勝敗に結びついた。倉敷工は二回二死、一塁に走者を置いて木村が左越えに長打して1点を先行、三、五回には疲れの見えた難波をゆさぶり、四球と長短打で好機をものにした。さらに、八回にも四球と左前打の走者をバントで二、三塁に進めたあと、石井が右前に好打して勝利を不動にした。
 大安寺は山本次のコーナーをつくていねいなピッチングに打線が沈黙。わずかに、四回二死から黒川が左越え二塁打したが後続なく逸機。1点も返せなかった。(山陽新聞 昭和45年10月11日:松浦)




1971年(昭和46年)
3年生:7期、2年生:8期、1年生:9期
部長:江口明彦 監督:友光達志 主将:黒川洋


○春季東部地区予選
4月10日
大安寺 0 0 0 2 0 0 2 0 0 4 難波−黒川
理大付 2 0 0 0 0 0 2 4 X 8 明石,竹上−中元
 三塁打:難波(大),松本(理) 二塁打:山上(大)

4月11日
岡山東商 2 6 2 0 1 11 ライト−高田
大安寺  0 0 0 0 0  0 難波−黒川
(5回コールド)
 本塁打:岡(東) 二塁打:吉田,ライト(東)


○第53回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
2回戦 7月21日 玉島商高球場
大安寺 0 0 0 0 0 0   0 難波,岡本,和田,難波−佐藤
津山商 0 0 0 3 6 1x 10 畑口,入江−番原
(6回コールド)
 三塁打:江見,有木,畑口(津) 二塁打:入江(津)
 第二試合は四回、3長短打などで3点を奪った津山商が五回には打者一巡の猛攻でたたみかけて大量6点。さらに六回にも相手投手陣の乱れから連続3四球と池田のタイムリーで1点を加え、コールド勝ちした。それにしても津山商は三回までの三者凡退がウソのよう。四回からは球威不足の難波ら四人の投手を難なく打ち込んだ。
 大安寺は畑口、有木の変化球にバットが合わず、わずか2安打の散発。鳴り物入りの応援団にも報われなかった。(山陽新聞 昭和46年7月22日:松浦)



○秋季東部地区予選<トーナメント敗者復活戦方式>
1回戦 9月12日
大安寺  0 0 0 0 0 1 0 1 和田,西山−西山,森
東岡山工 4 5 0 0 0 0 X 9 岡島−吉永
(7回コールド)

敗者復活1回戦 9月22日 関西高グランド
大安寺 0 0 0 2 0 3 1 0 0 6 和田,西山−森
備 前 0 0 0 0 0 0 2 0 1 3 中西−篠山
 三塁打:和田(大),中西(備) 二塁打:小松(大),武元(備)

敗者復活2回戦 9月24日 朝日高グランド
岡山南 0 5 0 0 0 6 3 14 稲垣−友実
大安寺 0 0 0 3 0 0 0  3 和田,西山−森
(7回コールド)



1972年(昭和47年)
3年生:8期、2年生:9期、1年生:10期
部長:安井一夫 監督:宇根廣  主将:角南考昭


○春季東部地区予選
4月16日
邑 久 1 3 3 0 0 0 4 14 奥田,山本−松本
大安寺 1 0 0 4 4 0 0  9 和田,岡本−西山
(7回日没コールド)

4月18日 関西高グランド
西大寺 0 0 0 1 0 0 1 2 0 4 羽納−則近
大安寺 1 1 0 0 0 0 0 0 1 3 和田,岡本−西山
 二塁打:小松(大),中山2,川本(西)

4月23日 岡山東商グランド
岡山東商 0 3 0 3 0 0 0 0 3 9 土居,吉田−河田,山本
大安寺  0 0 0 0 1 0 0 0 0 1 和田−西山


○第54回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
2回戦 7月21日 岡山県営球場
勝 山 2 0 6 0 5 2 15 有木,山根−大島
大安寺 0 0 3 1 0 0  4 西山,和田−山崎
(6回コールド)
 三塁打:原田(勝) 二塁打:大島,池田(勝)
 勝山は三回、大島、原田の長打など7安打、打者十人を送って大量6点をあげ、五回は7四球を生かして5点と、実力をみせてあっさり勝った。大安寺は投手力が弱かったのが大敗の原因だが、三、四回には制球に苦しむ有木をバントでゆさぶって得点するなど元気いっぱい戦った。(山陽新聞 昭和47年7月22日:安本、浅山)



○秋季東部地区予選<トーナメント敗者復活戦方式>
1回戦 9月10日
和気閑谷 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 森岡,福原−藤原
大安寺  0 0 1 0 0 0 0 2 X 3 西山−山崎
 二塁打:坪井(大)

第1代表決定戦 9月21日 東商グランド
大安寺  2 3 1 0 0 0 0 0 0  6 西山,和田−山崎
岡山東商 0 0 0 2 0 0 1 3 1x 7 今井,豊田−山本
 本塁打:大森(岡) 三塁打:坪井(大) 二塁打:和田(大)

敗者復活2回戦 9月24日
大安寺  4 1 4 0 0 0 4 13 和田−山崎
東岡山工 0 0 0 0 0 0 0  0 新田−岡
(7回コールド)

第二次代表決定戦 9月30日 岡山南高グランド
大安寺2−2理大付
(延長11回日没引き分け)

第二次代表決定戦 10月1日 岡山南高グランド
大安寺 1 0 0 2 0 0 1 0 2 6 和田−山崎
理大付 0 0 0 0 1 0 1 0 0 2 山田−渡辺
 二塁打:国藤(大),岩城(理)
⇒県大会本戦出場


○秋季岡山県大会
1回戦 10月7日 倉敷市営球場
大安寺 0 0 0 1 0 0 0 0 2 3 西山−山崎
倉敷商 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 富本−大月
 本塁打:国藤(大) 二塁打:内田(倉)
 1点を取られた大安寺は四回、国藤が左翼席に本塁打して同点とした。倉敷商の富本はこれまでカーブを武器につけ入るすきを与えない好投を見せていた。国藤は2−1からフルカウントまでねばり、富本の気負って投げ込む直球を逃さずフルスイングした。この気迫が好守につながり九回の決勝点を生んだ。この回先頭の荒木は一塁手後方の小フライ。これを野手が落球して生き、坪井は手堅く送った。一死後西山はきれいに三遊間をゴロで破り待望の勝ち越し点をあげた。打った西山は外野の返球を捕手が後逸する間に三進、和田の遊ゴロ失でダメを押した。
 倉敷商は二回、宮崎の遊撃内野安打から富本の右前適時打で先行、その後も再三好機をつかみ、とくに五、八回には無死で走者を出しながら西山を捕らえることができなかった。(山陽新聞 昭和47年10月8日:浅山)

2回戦 10月10日 倉敷市営球場
勝 山 0 1 0 0 1 0 2 1 1 6 山根和−清水
大安寺 0 0 0 1 0 1 0 1 0 3 西山−山崎
 三塁打:松岡,山根卓(勝) 二塁打:清水(勝)
<ベスト8>
 1回戦で強豪倉敷商を破って意気あがる大安寺は、こんどは優勝候補の勝山を苦しめた。二回、先取点を奪われた大安寺は四回、2四死球と安打で一死満塁とし、和田が前進守備の一塁後方へ飛球を落とした。五回にリードされると、六回には四球の山崎が果敢に二盗、和田の二塁強襲安打で同点とした。山根卓の快速球につまった当たりが安打になった幸運もあったが、思いきった攻めと粘りで食い下がった。西山は下手投げ特有のタマを使って力投していたが、七回から疲れがみえはじめた。力のある勝山打線は球威の落ちた西山から七回、清水、松岡の三塁打などで2点、八回にも山根卓の長打とスクイズで加点して安全圏に入った。(山陽新聞 昭和47年10月11日:安本)




1973年(昭和48年)
3年生:9期、2年生:10期、1年生:11期
部長:安井一夫 監督:宇根廣  主将:國藤健二


○春季東部地区予選
4月8日 岡山南高グランド
大安寺 1 1 0 0 1 1 0 0 0 4 和田−山崎
金 山 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 山田,倉橋−松井
 本塁打:和田(大)

4月14日
理大付 0 0 1 0 5 0 0 0 0 6 岩城,山田−渡辺
大安寺 2 0 2 0 0 2 0 1 X 7 和田−山崎
 三塁打:西山(大)

4月21日
操 山 0 0 0 0 0 0 0 0 黒住−山本昌
大安寺 1 0 2 2 0 0 1 6 和田−山崎
(7回コールド)

4月22日
東岡山工 0 0 0 0 0 0 0 0 田辺,新田−岡
大安寺  0 2 3 2 0 0 X 7 和田,西山−山崎
(7回コールド)
⇒県大会本戦出場


○春季岡山県大会
1回戦 5月3日 倉敷市営球場
倉敷商 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2 バッテリー記載なし
大安寺 0 0 0 3 1 0 1 0 X 5 バッテリー記載なし
 二塁打:藤原,富本(倉),西山,坪井(大)
 2点をリードされた大安寺は四回国藤左前打、荒木の送りバントは一塁内野安打、坪井は歩いて無死満塁。このチャンスに西山は右中間を深々と破る走者一掃の二塁打を放ち一気に逆転した。倉敷商にとって惜しまれるには四回の攻撃。追加点をねらう倉敷商は宮本がいきなり左翼越え二塁打。岡の送りバントで一死三塁としながら後続が強気に攻めて凡フライ、走者を返せなかった。(山陽新聞 昭和48年5月5日)

2回戦 5月5日 倉敷市営球場
大安寺 0 0 0 0 0 0 3 0 0 3 和田,西山−山崎
倉敷工 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1 難波−武井
 二塁打:国藤,高塚,西山(大)
 大安寺の鮮やかな逆転勝ち。大安寺は初回から制球に苦しむ難波を攻め毎回得点圏に走者を送っていた。これが七回にめぐってきた。この回一死後高塚、国藤が連続四球で出塁。荒木凡打のあと坪井はよく選んで二死満塁。この好機に西山は内角やや高めの球を快打、打球は左翼手の差し出すグラブをわずかにかすめフェンスに達する走者一掃の二塁打となった。前日の対倉敷商でも逆転の一掃をやっている。西山は投げても三回から和田をリリーフし、カーブ、スライダーと多彩な投球で2四死球を許しただけ、まさに投打の大活躍だった。(山陽新聞 昭和48年5月6日:浅山)

準決勝 5月6日 倉敷市営球場
大安寺  1 0 0 0 0 0 0 0 3 4 西山,和田−山崎
岡山日大 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 山本,今井−木田
 三塁打:西山(大) 二塁打:杉本,木田(岡)
 1点のリードから一転して追う立場にたった大安寺は、ドタン場で打者一巡の猛反撃に移った。先頭の高塚が中前打。国藤、荒木も四球と安打で出塁しておぜん立て。坪井凡退して一死となったが、山崎は遊撃の頭上を抜いて二人を返し逆転。山崎、西山の連打に和田のスクイズ野選でたたみかけた。岡山日大は四球、安打の走者を毎回出したが、カーブを決めダマに、スライダーとフォークボールを織りまぜる多彩なピッチングをする西山に六回までに三塁を踏んだのは一度だけ。七回、二つの敵失と太田、木田の連打で逆転したが、投手陣がどたん場でくずれた。(山陽新聞 昭和48年5月7日:松浦)

決勝 5月6日 倉敷市営球場
大安寺 0 0 0 0 2 0 0 0 0 2 西山,和田−山崎
興譲館 2 0 1 0 0 0 0 0 X 3 三宅−野宮
 三塁打:千神(興) 二塁打:千神(興)
<準優勝>
 連日わき返らせた大安寺、とうとう力尽きた。西山は金政、能見に連続四球を呈し、さらに暴投が出て無死二、三塁のピンチ。そして打者千神のとき、二塁へのけん制が悪送球となって1点を献上して和田にバトン。そのかわりバナを千神に右中間を破られ2点目を許した。気をよくした興譲館は三回、千神の右前適時打で1点を加えて3−0とセーフティーリードを奪った。
 大安寺は一回から最終回まで毎回走者を出しながら決定打が出ず、五回荒木、二宮、山崎の3連打から和田、森の連続四球で2点をあげ、1点差までつめたが及ばなかった。大安寺は興譲館を上回る9安打を放ちながら、三回の無死満塁をつぶすなど効率の低い攻めが敗因につながった。(山陽新聞 昭和48年5月7日:浅山)




○岡山県選抜大会
1回戦 6月9日 岡山県営球場
琴 浦 2 0 0 0 0 0 0 0 0  2 中岡−山下
大安寺 0 2 0 0 0 0 0 0 1x 3 西山−山崎
 三塁打:真鍋(琴) 二塁打:国藤(大)
 大安寺が九回鮮やかなサヨナラ勝ちを演じた。この回一死後、森死球でチャンスをつかみ、代走の岡本は高塚に送られて二死二塁。この好機に打者は当たっている国藤、中岡が低めに投げたボールぎみの速球をすくい上げるようにして中越えに二塁打、岡本を迎え入れた。国藤の気迫のこもった一打だった。
 試合は琴浦が一回、岡田、真鍋の長短打などで先行すれば大安寺も二回に山崎、岩井の内野安打などで二死満塁とし、国藤の中前適時打でふり出しにもどす伯仲したすべり出し。その後は琴浦・中岡が速球、西山が変化球を主体にする投球で相手打線をかわした。(山陽新聞 昭和48年6月10日:浅山)

2回戦 6月10日 岡山県営球場
関 西 0 0 0 0 4 2 2 1 0 9 川辺−松原
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 西山,和田−山崎
 三塁打:西谷,松原,小川(関) 二塁打:八木2(関)
 四回まで関西・川辺、大安寺・西山の投げ合いで進んだこのゲームも五回に均衡が破れた。
 前日倉敷工に逆転勝ちした関西はこの回、吉岡の中前打で得点の糸口をつかんだ。吉岡オクリバントで二進、西谷は西山の内角竹目の好球を逃さず右中間に三塁打して1点をあげた。西山はこの一打で投球のリズムをすっかり乱し、八木、松原にも好球を配して長打を許した。さらに萱、小川も二人目の和田に好打を集めて計4点を奪った。調子に乗った関西は六、七回にそれぞれ2点を加え、勝負を一方的なものにした。
 大安寺は頼みの西山が崩れたうえに打線も余裕を持って投げる川辺の変化球に手を焼き、5安打の散発にとどまった。(山陽新聞 昭和48年6月11日:浅山)



○第55回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
2回戦 7月24日 岡山県営球場
津 山 1 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0  3 森本,赤堀−高柳
大安寺 1 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1x 4 和田,西山−山崎
(延長11回)
 三塁打:谷名(津)
 大安寺が最後まで苦しみ抜いた。第一の原因はエース西山を温存したこと。先発に和田は上手から投げ込む本格タイプだが、肝心の直球に伸びを欠いて津山打線に痛打を浴びた。一回谷名に左翼の頭上を抜かれて三塁打、池田の遊ゴロがエラーとなって1点を失った。大安寺はその裏、西山の右前適時打で返したが、四回森本、菱川に打たれて再びリードされ、西山にバトンタッチ。ところが西山もウォーミングアップ不足から制球をくずして連続3四球を呈して押し出しの1点を与え傷口を広げた。この2点の負担は大安寺にとって重くのしかかった。五回2四球と敵失で1点差にしたが、六回以後毎回2、3四球で塁上をにぎわしながら決定打が出ず、九回のどたん場にやっと追いついた。この回高塚の代打岩井がよく選んで出塁、代走に片岡を起用のあと、国藤は敬遠気味の四球で一、二塁。ここまでは毎回のようにあった好機だが、ここで投手の二塁へのけん制が悪投となって一、三塁の絶好機となった。荒木は1‐2後の4球目をスクイズで決めて息を吹き返した。大安寺は二回からノーヒット、四球はなんと11。津山投手陣が制球に苦しみながら、これを打ち込めなかった貧打が第二の原因。延長十一回津山守備陣の乱れから一死満塁、頼みの西山が期待通り左翼に打ち上げて国藤を迎え入れた。それにしてもシード校を最後まで苦しめた津山のがんばりはほめてよい。(山陽新聞 昭和48年7月25日)

3回戦 7月25日 岡山県営球場
水島工 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 玄馬−平山
大安寺 0 0 0 0 0 0 1 3 X 4 西山−山崎
 三塁打:岡本,西山(大) 二塁打:山崎(大)
 大安寺は玄馬を積極的に攻めて攻略した。八回荒木四球のあと、西山が右中間を破る三塁打、続く山崎も左越二塁打とたたみかけ、さらに江戸のスクイズで3点をあげ一気に突き放した。試合は終始大安寺ペースだった。西山は変化球で巧みに相手打線をかわし、七回まで許した安打は一本。疲れの見えた八回一死満塁のピンチも落ち着いた投球で1点に切り抜けた。水島工は八回同点にしたが、頼みの玄馬が打たれてはどうしようもない。(山陽新聞 昭和48年7月26日:浅山)

準々決勝 7月26日 岡山県営球場
大安寺  0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 西山−山崎
和気閑谷 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 福原−藤原
 大安寺が押し出しで決勝点をあげた。試合は大安寺・西山、和気・福原の投げ合い。西山は下手から、福原は上手からともにコーナーワークにさえをみせ、五回まで零に押さえた。だが、六回、福原の制球が甘くなった。打力にまさる大安寺はすばやくつけ込んだ。
 この回、大安寺は荒木、山崎、国藤が安打して一死満塁。岩井は1‐3からよく選んで歩き、押し出しで均衡を破った。大安寺の勝因は西山の好投のほか、二度、盗塁をはばんだ山崎の強肩、長打コースの大飛球をとらえた左翼・江戸、右翼・岡本の美技と守りのよさもあった。和気は六回一死二、三塁の反撃機も強攻策でつぶし、力投する福原に報えなかった。(山陽新聞 昭和48年7月27日:安本)

準決勝 7月27日 岡山県営球場
大安寺  0 0 0 0 0 0 0 2 1 3 西山−山崎
岡山日大 0 1 0 0 1 0 0 0 0 2 今井,川本,山本−木田
 二十七日、全国高校野球選手権県予選第七日の県営球場にはおよそ五千五百人の観衆がつめかけ、大安寺-岡山日大、岡山東商-倉敷工の準決勝二試合を見守った。第一試合は三十九年四月に部を結成した大安寺が岡山日大とがっぷり四つのゲーム運びをみせ、八回2‐2のタイにこぎつけ、九回には1点を追加して逆転、第4シードの貫録を披露、スタンドをわかせた。戦後進学校の決勝進出は二十一年の岡山二中(現操山)、二十二年の岡山二中、二十三年の岡山二高、二十五年の朝日についで二十三年ぶり五度目。(中略)なお甲子園出場は岡山東商が勝てば四十六年についで二年ぶり七度目、大安寺が勝てば初出場となる。
 大安寺は八回同点とした後、九回先頭の西山が真ん中低めの速球を右中間三塁打。続く和田は前進守備の一塁手の後方にうまく落とすしぶい安打、鮮やかな逆転勝ちだった。それにしても和田の一打は連日気力あふれる大安寺の活躍を象徴していた。試合は岡山日大が先行した。二回、四球と内野安打などで二死二、三塁と攻め、西山の暴投で先制、さらに五回には一死一、三塁から西畑の中犠飛で加点し、先発の今井も再三走者を出しながらもバックの好守に助けられ無得点に切り抜けていた。ところが八回つかまった。大安寺はこの回、高塚が中前打、国藤は2‐3から内角高めの速球を左中間二塁打し1点差、なおも二番手山本から荒木中前打で無死一、三塁とし坪井の遊ゴロで同点とした。大安寺は勝ったがまずいバントなどもあり4併殺打を食らう始末。西山は三回ごろから疲れの色がはっきり見えていた。だが気力で投げ、許した安打はわずかに5本バックもよこ守って西山を盛り立てた。これが最終回の逆転に結びついた。(山陽新聞 昭和48年7月28日:浅山)
<大興奮のスタンド>
○最終回大安寺は西山が三塁打した。和田が右前にはじき返して西山がおどり上がってホームに飛び込んだ。疲れもふっとんだ西山は先頭の横田に四球を許したが、後続を凡打、最後の打者を三振にうちとった。ウイニングボールをつかんだ山崎を西山がかけ寄り握手。ナインも全力疾走でバッテリーをかこんで抱き合った。グラウンドもスタンドも興奮のウズ。国藤主将は「負ける気はしなかった。ナインも自信がみなぎっていた」―春の県大会でこの日と同じ準決勝で対決、この時も1‐2でリードされた九回、一気に3点をあげて逆転しており、ナインにとってはまさに自信満々の逆転劇。六千に近いスタンドのどよめきは岡山東商‐倉敷工戦の中盤までつづいていた。

決勝 7月28日 岡山県営球場
岡山東商 0 2 0 2 1 2 0 1 2 10 土居,今井−山本
大安寺  0 0 0 0 0 0 0 0 0  0 西山−山崎
 二塁打:大森,土居,古市2,長門(岡)
<準優勝>
 大安寺躍進で期待されたこのカードも岡山東商の一方的な試合に終わった。勝敗のカギは岡山東商が大安寺・西山をどう攻めるかにかかっていた。準決勝までの西山は緩急二つのカーブ、シュート、速球と多彩な投球をみせていただけに注目の登板だった。この西山に対して岡山東商ベンチは外角球にマトを絞り、右へ流すバッティングをみせた。二回、大森が初球をいきなり右越え二塁打。土居は2‐0から外角高めの好球をとらえ一塁線を破る二塁打でさらに国屋が送り古市のスクイズで2点をあげた。西山は初回こそ無難な投球を見せたが五連投の疲れから得意の変化球にいつもの切れがなくコースも甘かった。よく鍛えられた岡山東商はこの機を逃さず、四回には二死から国屋、古市が連続四球、小林の左前適時打と長門の遊撃内野安打で2点を追加、完全にリズムに乗った。五回には右前打の大森が土居の中飛を野手が落球する間に一気に生還し5‐0と勝負を決めた。その後は岡山東商の一方的なゲームになった。土居はこのリードを背に余裕のあるピッチング、速球、カーブを内角低めに決め全くつけ入るスキを与えず、八回から今井にバトンタッチ、わずか2安打に締めくくった。
 大安寺は頼みの西山が打たれ、打線も土居、今井の前に鳴りをひそめ、ベンチとしてもなすすべがなかった。決勝としては大差のつきすぎたゲームだったが、ここまでのぼりつめた大安寺の健闘はたたえられてよい。(山陽新聞 昭和48年7月28日:浅山)
<全力を出し切った>さわやか大安寺ナイン
○「土居の速球を打ってみせる」と球場入りした大安寺ナイン。しかし土居の快速球に押されて凡打を繰り返すばかり。五回、六回、安打が出たが後続がつづかない。最終回、二番手の今井から先頭の江戸が歩いた。最後の反撃機だ。一塁側のスタンドがわいた。大安寺の生徒、朝日、操山の友情応援団、選手たちが下宿している北長瀬町内会の人たち約二千人が総立ち。こぶしを上げて「かっとばせ」「1点たのむぞ」。これもむなしく荒木が三塁フライを打ち上げてゲームセット。粘りの大安寺もこれで力尽きた。
○一塁側スタンドからも健闘をたたえるテープがとんだ。「変化球でかわそうとしたが通じなかった。さすが岡山東商だ」と西山投手。「土居のタマは速かった。どうしてもついていけなかった」と国藤主将。全力を出して戦ったさわやかさだけが残った。安井部長は「進学校でもやればできるんだという手本を示しただけでも意義があった」と胸を張った。「さあ、勉強だ。これからボクたちの甲子園だ」。
<やはり総合力の差>
宇根大安寺監督の話 点差が大きく開いたが、選手たちは一生懸命戦った。本当によくやった。二回の2点差なら逆転できると思ったが…。四回、2点を追加されたのは痛かった。やはり総合力の差だ。心から岡山東商の健闘を祈る。
<総評>光る大安寺の健闘
 大安寺に明け、大安寺に暮れた。大安寺がここまで勝ち進むと誰が予想しただろうか。大安寺は初戦から苦しい試合の連続だった。最初の相手は津山。四回2点の負担を背負って懸命に追った。五回に1点差。九回のどたん場、代打、代走の総力で追いついた。この間先発の和田が左大タイ部の肉離れで西山にバトン。この西山も肩、ヒジ、故障を持ち病院通い。延長十一回津山に2つの失策が出、西山が左に大きく打ち上げて国藤が決勝のホームを踏んだ。このとき国藤は右足首をねんざ。次は水島工。主将の国藤がスタメンからはずれた。投打の軸を欠いてはどうしても不利。四回びっこを引いて国藤代打。二打席目に均衡を破る口火の安打をとばした。しかし、八回大逆転を喫するピンチ。水島工は一死満塁から、スクイズでタイ。なおも二、三塁で須田があわや中越えの大飛球。国藤は一直線に背走して振り向きざま逆シングルで好捕した。この超美技は、その裏西山、山崎の連続長打を生み、決勝の3点に結びつけた。
 準々決勝の対和気閑谷も苦しかった。1点差。準決勝も岡山日大に七回まで2‐0。まったく押さえられて敗色ムード。これを吹き飛ばしたのが高塚の一打。これまで?打数ヒットなし、気力の中前打だった。息を吹き返した最終回、西山の三塁打と和田の右前打で決勝点をあげた。「ぼくら一人ひとりの力じゃない。うちのチームはチームワークがとりえです」国藤主将のことばが快進撃大安寺の活躍のすべてだった。
 甲子園を目前にした決勝戦では力つきたのだが、「さあ、これで野球をぷっつり忘れ、勉強に打ち込める」ナインの表情はさわやかだった。
 この大会の前評判は混戦もよう。シードの関西、興譲館、岡山南、大安寺に加えたセンバツ後自粛していた岡山東商、夏に強い倉敷工、さらに岡山日大、勝山、琴浦などがからんで波乱含みだった。事実、興譲館、岡山南が初登場で相ついで姿を消し、第1シード関西も準々決勝で後退した。シード組でただ一つがんばったのが大安寺。一番弱いと見られたチームである。選手一人ひとりを比べても背丈こそ劣らないが、何かひよわさを感じる練習量も他チームの半分にも満たない一時間半。四時間以上も鍛えこんだチームの選手より見劣りするのは当然。しかも夏の炎天下。技術そして気力だけではそういつまでも持続するものではない。最後の勝利者はやはり体力であり、スタミナである。
 決勝では岡山東商が文句なく打ち勝ち、大安寺は無残にもくずれ去った。岡山東商は「自粛」というハンディを背負って大会にのぞんだが、一戦々々たくましさを加え、堂々たる勝ちっぷりを披露した。春のセンバツから帰ると校長の不祥事で自粛。ナインにとってあまりにも強烈なショックだったに違いない。約一カ月にわたる対外試合禁止の中で、岡山東商のナインは何を学び身につけたのだろうか。向井部長は「自分たちがやらなければという自覚を植えつけた。この苦痛に耐えしのび、解けたときには、この成果を見てもらうという目標でがんばった。この気持ちの引き締めが栄冠につながった」。互いに信頼し合うチームワーク、一致団結の堅いきずなを作った。そして選手たちは貴重な体験を通して野球憲章の真の意味を知った。平素の猛練習で鍛えあげた体力に精神力の強さを身につけたのである。
 大安寺、岡山東商の決勝争い。一部ではこの現象をとらえて岡山県の高校野球はレベルダウンしたという。だがこれは一つのプロセスとして現場の指導者が反省すればよい。それよりもった大きなものをこの大会は残してくれた。これは将来選手としてではなく社会においても立派に生き抜く力を養う真の高校野球のあり方を、この二校が教えてくれたような気がする。



○秋季東部地区予選<トーナメント敗者復活戦方式>
1回戦 9月8日 西大寺高グランド
邑 久 3 0 0 0 0 0 0 0 0  3 原田−山崎
大安寺 0 0 0 0 0 3 0 0 1x 4 岩井,江戸−下村

2回戦 9月15日 西大寺高グランド
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 0 江戸,岩井−下村
西大寺 3 5 0 1 0 0 X 9 岡崎−片岡
(7回コールド)

敗者復活2回戦 9月16日 岡山南高グランド
大安寺 0 0 1 0 1 2 0 0 0 4 江戸,岩井−下村
金 山 1 0 0 0 1 0 0 1 0 3 山田,吉田−倉橋

第二代表決定戦 9月24日 岡山南高グランド
大安寺 0 0 0 0 0 0 岩井,山本−下村
操 山 4 0 1 0 X 5 黒住−山本昌
(5回コールド)

第三代表決定戦 9月24日 岡山南高グランド
大安寺  0 1 0 2 0 0 0  3 江戸,山本,小林−下村
和気閑谷 0 1 8 2 0 1 X 12 延兼−山本卓
(7回コールド)
 二塁打:片岡(大),山本卓(和)



1974年(昭和49年)
3年生:10期、2年生:11期、1年年生:12期
部長:安井一夫 監督:宇根廣  主将:高塚憲治


○春季東部地区予選
4月7日 岡山南高グランド
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 岩井−下村
西大寺 0 0 0 0 2 0 0 2 X 4 岡崎−片岡

4月13日 大安寺高クランド
大安寺 0 0 1 0 0 1 0 1 0 3 岩井,小林−下村
関 西 2 2 0 0 1 0 0 2 X 7 高森哲−松原

4月22日 大安寺高クランド
大安寺 0 0 0 0 0 2 0 0 0  2 岩井−下村
興 陽 0 0 0 0 0 0 0 0 3x 3 藤田−大森

4月24日 大安寺高クランド
大安寺 0 0 0 0 0 2 2 0 1 5 岩井,小林−下村
備 前 3 0 3 0 0 0 1 1 X 8 安達,大橋−黒尾


○第56回全国高校野球選手権大会 岡山県予選
2回戦 7月22日 岡山県営球場
西大寺 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 岡崎,大内−片岡
大安寺 1 0 0 1 0 0 0 0 X 2 岩井−下村
 二塁打:益田,島村(西),小林(大)
 昨年、旋風を起こした大安寺、ことしもまた伸び伸びと戦い強豪西大寺を破った。なんといっても初回二死一、三塁に暴投で先取点をあげ試合の主導権を握ったことがよかった。四回同点とされたが、その裏、道広の安打などで二死一、三塁とし、代打小林が中前に渋い当たりを落として勝ち越し、西大寺の反撃ムードを断ち切った。西大寺は左腕岩井のうまい投球に再三の好機を生かせず、四回、重盗であげた1点にとどまった。(山陽新聞 昭和49年7月23日:村木)

3回戦 7月24日 岡山県営球場
大安寺 0 0 0 0 2 1 0 0 0 3 岩井−下村
興譲館 4 0 0 0 0 0 0 2 X 6 三宅−森田
 二塁打:岩井(大),三宅(興)
 興譲館は一回、単調な投球をする岩井を攻め、一死二塁から千神、三宅、金政の3連打と多賀のスクイズで4点を先制した。中盤、大安寺の猛反撃に浮き足立つ場面もあったが、八回三宅の左中間三塁打と敵失などで2点を入れ、突き離した。大安寺は六回1点差と追い上げたあとの二死満塁に道広の一打は左翼頭上を抜くかと思われる当たりだったが、背走する森本の超美技に無念の涙をのんだ。大安寺の健闘はたたえられるが、投打に上回る興譲館の順当な勝利。(山陽新聞 昭和49年7月25日:山崎)



○秋季東部地区予選
9月8日 大安寺高グランド
大安寺  0 0 2 1 2 0 0 0 10 15 岩井−下村
和気閑谷 0 0 0 0 0 0 0 0  0  0 山脇,山本,山脇−水上

9月14日
岡山南 2 0 0 0 0 0 0 0 0 2 三好−正司
大安寺 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 岩井−下村
 二塁打:正司(岡),岩井(大)

敗者復活2回戦 9月21日 朝日高グランド
大安寺 1 0 0 0 0 0 0 3 4 岩井−下村
西大寺 0 0 0 0 0 0 0 0 0 益田−片岡
(8回コールド)

第二代表決定戦 9月22日 東岡山工グランド
大安寺 8 0 0 0 2 10 岩井−下村
岡山工 0 0 0 0 0  0 砂田,船守−上井
(5回コールド)
⇒県大会本戦出場


○秋季岡山県大会
1回戦 10月10日 倉敷市営球場
水島工 1 0 0 0 0 1 0 0 2 4 佐藤−木口
大安寺 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 岩井−下村
 三塁打:平川,岡田(水) 二塁打:岡田,佐藤(水)
 投打に上回る水島工が勝った。水島工は一回、岩井の立ち上がりを攻め敵失と四球で一死一、二塁とした後、木口が中前へ打ち返して先制。五回には敵失で加点、1点差とされた九回には長打でつき放した。この回佐藤左越え二塁打。二死後、岡田は中越えの三塁打を放ち、代打池村も三遊間を抜き2点をあげた。岩井は球威こそ見られたが、制球が甘くカウントを整えるところをねらい打ちされた。一方、佐藤は前半下手からの直球で押し、やや疲れの出た後半は変化球でかわした。
 大安寺は、七回小林が初安打。八田、片岡の適時打で1点差にこぎつけながら最終回岩井がつかまり万事休した。(山陽新聞 昭和49年10月11日:浅山)



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